&FORCE COLUMN

&FORCEの戦略ブランディング基礎講座(第1回)
「ブランド/ブランディングとは何か?」
【東京・沖縄の戦略ブランディング会社】

こんにちは。&FORCEの広報担当です。
このブログでは、戦略ブランディングについての基礎的な知識を学びたい方のためのお役立ち情報を発信して参ります。

具体的には、次のようなお悩みをお持ちの方にお役立ちできる内容となっています。

「売り上げを安定的に伸ばすためにブランディングが大切って聞いたけど、そもそもブランディングって何?」

「スタートアップ企業として、認知度や信頼感を獲得するためにブランディングに取り組んでいきたいけれど、何をどれから始めたらいいかが分からない・・・。」

「親から会社を引き継いだ後継ぎなんだけど、親の世代とは時代状況も違うし、新しい時代に合わせて会社をブランディングし直してみたいんだけど、どうしたらいいんだろう?」

知っておくと有益な戦略ブランディングの基礎知識をご説明していきますので、ご興味のある方はぜひご覧になってみてください。
どうぞよろしくお願いいたします。
(なお、本テーマの記事は連載形式になります。)

戦略ブランディング基礎講座第1回目のテーマは、
「ブランド/ブランディングとは何か?」です。

それでは行ってみましょう!

_1.「ブランド」とは?

「ブランド」や「ブランディング」という言葉にどのようなイメージを持たれるでしょうか。
まず「ブランド」と聞くと、グッチやエルメス、プラダなどのお洒落な高級品や、ベンツやポルシェ、ハーレーダビッドソンなどのハイセンスな高級車をイメージされる方が多いのではないかと思います。

しかし、「ブランド」というのはそれだけではありません。

食品スーパーに並んでいる各メーカー様のヨーグルト製品やバター製品、飲料水なども、それぞれが「ブランド」です。
つまり、それぞれの製品(商品)が1つのブランドなのです。
これを「製品(商品)ブランド」といいます。
永谷園の提供するお茶漬けの素も立派な製品ブランドですね。

また、AppleやAmazon、Facebook、マクドナルド、トヨタなどの有名どころの企業は、多くの方がCMや店舗、看板、チラシ広告などで知っていらっしゃると思います。
まさに世界的な大企業で、認知度は抜群です。
こういった企業自体も「ブランド」になります。
具体的には「企業ブランド」といいます。

この他に、「事業ブランド」や「シリーズブランド」などがあって、企業ブランド→事業ブランド→製品(商品)ブランド→シリーズブランドというような段階的な階層になっています。

もうだいたいイメージが湧いてきてくださったかと思いますが、まとめますと、
「ブランド」とは他社の製品(商品)やサービスとは違う独自の価値を持ったもののことをいいます。
つまり、「◯◯と言えば、このブランド!」と消費者が理解・納得している「らしさ」のことです。
私たち&FORCEでは、経営理念のもとに今まで積み重ねてきた企業の歴史・活動など、他社とは違う独自の価値を持ったもののことを「ブランド」と定義しております。
学者の先生方や各実務家の方々によって「ブランド」の定義はいろいろありますが、基礎の段階では以上のようなご理解でよろしいかと思います。

_2.「ブランディング」とは?

では次に、「ブランディング」とはどういう意味のものなのでしょうか?
この言葉を聞いた人の多くは、真っ先にブランドネームやロゴ、シンボル、スローガン、キャラクター、パッケージングなどを作る活動のことが思い浮かぶのではないでしょうか?

確かに、それもブランディングの一環であり、強いブランド作りのための大切な活動です。
ただ、ブランディングとはそれらの活動だけで終わるものではありません。
それでは、どういった活動が「ブランディング」といえるのでしょうか?

ここからはイメージしやすいように、ハンバーガーやポテト、ドリンクで有名なファーストフード店であるマクドナルドを例にご説明していきますね。

まず、「ブランドネーム」とは、「月見バーガー」や「てりやきマックバーガー」、「マックフライポテト」などといった商品自体につけられた名前のことをいいます。

次に、「ロゴ」や「シンボル」とは、絵や図柄、模様、色彩などで表現された識別マークのことです。
例えば、赤い四角のマークの中に黄色で大文字のMをアレンジした図柄が表現されているものといえば、マクドナルドのロゴが有名なのではないでしょうか?

さらに、「スローガン」とは企業が製品(商品)やサービスを通して顧客に何を提供したいのかを表す文章によるメッセージのことです。
マクドナルドでは、「おいしさと笑顔を、地域の皆様に」という自社の存在意義を書いた文章をスローガンにしています。

そして、「キャラクター」とは、その会社の世界観を表すように人物像や生き物などをアレンジしたもののことです。
マクドナルドでは、「ドナルド」の愛称で親しまれる赤と黄色のイメージカラーの服を着たピエロがキャラクターになっています。

最後に「パッケージング」とは、製品(商品)を包む包装箱や包装用紙に施されたそのブランドの世界観を表すデザインのことをいいます。

確かに、そのブランドの「〇〇らしさ」は主に、ブランドネーム、ロゴとシンボル、スローガン、キャラクター、パッケージングといった5つの要素で成り立っています。
そのため、5つのブランド要素を作ることがブランディングであると思っていらっしゃる方も多いです。

ただ、先ほどもお話ししましたように、ブランディングとはこれだけではありません。
5つのブランド要素作りは、あくまでブランディングの一部に過ぎません。

ここで「ブランディング」という言葉の由来にさかのぼって考えてみましょう。

そもそも「ブランディング」という言葉は、西洋の古ノルド語で<焼印をつける>という意味の「brandr(ブランドル)」が語源と言われています。
他人の家畜と間違われないように、自分の家畜であることを証明するためのものでした。
ここから「ブランド」という言葉が他と差別化された独自の価値を持ったものを示すようになったわけですね。

したがって、一般的に「ブランド」とは他社の製品(商品)・サービスとは違う独自の価値を持ったもののこと(〇〇らしさ)をいい、また、「ブランディング」とはブランドの価値を広く知ってもらい、理解してもらう活動全般のことをいいます。

そのため、ブランディングはブランドの5つの要素をいったん作ってそれで終わりではなく、ブランドの価値が社内はもちろんのこと、社外にも広く知ってもらい、理解してもらうような活動を継続していくものでなければなりません。

そもそも、ブランディング(branding)という語にはingがついていますので、現在進行形の活動なんですよね。
つまり、「〇〇らしさ」作りのために様々なプロジェクトが継続して進行していく活動が「ブランディング」ということになります。
私たち&FORCEは、「ブランディング」=「ブランド+ing、ブランドを未来に向けて進化させ続ける行動」と定義しております。

_3. なぜ現代の企業にとってブランディングが重要なのか?

科学が発達したおかげで生産流通技術や情報通信技術が進展し、それ以前よりも容易に多種多様な製品やサービスを作り出すことができるようになりました。
そのため、現代の市場は類似の製品やサービスで溢れかえる成熟市場になっています。

成熟市場では、消費者に認知されない、覚えてもらえない、理解されない製品やサービスは数ある類似のものの中に埋もれてしまい、極端に言えば<消費者の頭の中には存在していない>のと同じ扱いになってしまいます。
そうなりますと、せっかく性能や機能といった面で素晴らしい品質の製品やサービスであったとしても、購入はおろか、それ以前に認知・理解すらしてもらえないのが現実なのです。

そのため、消費者に認知してもらい、覚えてもらい、理解・共感してもらえるような製品やサービスにしていくために、ブランディングが必要になるのです。

ブランディングという言葉の由来を覚えていらっしゃいますか?

放牧している自分の家畜が、他人の家畜と間違われて持っていかれないようにするための「焼印をつける」に由来する言葉でしたね。
ここから、ブランディングの最初の目的は、他のものと区別するための独自性を示すことだったと分かります。

したがって、現代の成熟市場では、自社の製品(商品)・サービスが他社のそれとは違う独自の価値を持ったものであることが一目でわかる機能=現代の焼印が求められているのです。

そして、現代の焼印を作り、定着させ、広げていく活動であるブランディングが現代の企業には必要になってきているといえます。

「では、具体的なブランディングの活動とはどういうものなのか?」については、次回以降の記事で詳しくご説明して参りたいと思います。

自社の製品(商品)・サービスがなかなかお客様に認知してもらえない、覚えてもらえない、理解・共感が得られないということでお悩みの企業様は、ブランディングに取り組んでみてはいかがでしょうか?
これから認知・理解を獲得していかねばならないスタートアップ企業様や事業承継後にリニューアルを図りたい企業様にとって、ブランディングは有効な手段になると思います。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

次回の戦略ブランディング基礎講座(第2回)では、「ブランディングに必要な共通のイメージとは?」をテーマにご説明していきたいと思います。

それではまた次回にお会いいたしましょう。

私たち&FORCEは、東京・麹町と沖縄・那覇に拠点を置く戦略ブランディングカンパニーです。
「モノ創りを価値あるものへ」を理念に、全国の企業様への戦略ブランディング支援、戦略PR立案・実行支援を中核に事業を展開しております。

私たち&FORCEが心がけているスタンスは、「お客様に一歩先を提示して伴走する戦略ブランディングサービス」をご提供することです。
クライアント様の確かなブランド構築という目標に向かって、共創・伴走させていただきながら事業が自走していく状態になるまで戦略ブランディングサポートを継続致します。 クライアント様に1人で走っていただくようなことは致しません。

ブランディングのお仕事というのは、「考え続ける」お仕事です。
それも、独りよがりの考えではなく、クライアント様の想いやこれまでに紡いできたストーリーをしっかり汲み取って、どうやったら喜んでいただけるかを共に考えていきます。

&FORCEの「&」には、代表・瀧口幸明の<誰かと一緒に何かを作る力は無限大>という想いが込められています。
そのため、クライアント様には様々な業界・業種の方がいらっしゃいますし、弊社のメンバーも年齢・性別やバックボーンを問わず様々です。
様々な人や文化が混ざり合うことから新たな価値が生まれてくると信じております。

私たち&FORCEは、戦略ブランディングや戦略PR関連のお仕事をさせていただいておりますが、特にスタートアップ企業の経営者様や事業承継後の後継ぎ経営者様の戦略ブランディングに関するお悩みに全力で寄り添い、お応えして参りたいと思っております。

&FORCEにご興味を持っていただけましたら、いつでもお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
クライアント様のお役に立てることを心より願っております。

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[ 参考文献一覧 ]
1.デービッド・アーカー「ブランド論」(ダイヤモンド社 2015年)
2.デービッド・アーカー「ストーリーで伝えるブランド—シグネーチャーストーリーが人々を惹きつける」(ダイヤモンド社 2019年)
3.田中洋「ブランド戦略・ケースブック2.0」(同文舘出版 2021年)
4.田中洋「ブランド戦略論」(有斐閣 2017年)
5.音部大輔「The Art of Marketing マーケティングの技法」(宣伝会議 2021年)
6.羽田康祐「ブランディングの教科書:ブランド戦略の理論と実践がこれ一冊でわかる」(NextPublishing Authors Press 2020年)
7.中川淳・西澤明洋「ブランドのはじめかた」(日経BP 2010年)
8.中川淳・西澤明洋「ブランドのそだてかた」(日経BP 2017年)
9.水野学「『売る』から、『売れる』へ。水野学のブランディングデザイン講義」(誠文堂新光社 2015年)
10.西澤明洋「ブランディングデザインの教科書」(パイ インターナショナル 2020年)
11.乙幡満男「デジタル時代に知名度ゼロから成功する!ブランディング見るだけノート」(宝島社 2021年)
12.乙幡満男「ブランディングが9割」(青春出版社 2020年)
13.齋藤三希子「パーパス・ブランディング〜『何をやるか?』ではなく、『なぜやるか?』から考える」(Kindle版 2022年)
14.デザインノート編集部「デザインノート Premium 最強のブランディングデザイン: 最新デザインの表現と思考のプロセスを追う」(誠文堂新光社 2021年)
15.バイロン=シャープ・前平謙二「ブランディングの化学 誰も知らないマーケティングの法則11」(朝日新聞出版 2018年)
16.佐藤圭一「選ばれ続ける必然 誰でもできる『ブランディング』のはじめ方」(講談社 2016年)
17.丹羽真理「パーパス・マネジメント」(クロスメディア・パブリッシング 2018年)
18.山口義宏「デジタル時代の基礎知識『ブランディング』 『顧客体験』で差がつく時代の新しいルール」(翔泳社 2018年)
19.バイロン=シャープ・ジェニー=ロマニウク他「ブランディングの科学 新市場開拓編 – エビデンスに基づいた成長の新法則–」(朝日新聞出版 2020年)
20. 楠木建「ストーリーとしての競争戦略」(東洋経済新報社 2010年)
21.ジョン・ムーア「スターバックスはなぜ値下げもテレビCMもしないのに強いブランドでいられるのか?」(ディスカバー・トゥエンティワン 2014年)
22.小山田育・渡邊デルーカ瞳「ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと」(クロスメディア・パブリッシング 2019年)
23.中川淳「経営とデザインの幸せな関係」(日経BP 2016年)
24.西口一希「たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング」(翔泳社 2019)
25.フィリップ・コトラー「コトラーのB2Bブランドマネジメント」(白桃書房 2020年)
26.片山義丈「実務家ブランド論」(宣伝会議 2021年)
27.アル・ライズ「ブランディング22の法則」(東急エージェンシー 1999年)
28.クレイトン・M・クリステンセン「ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム」(ハーパーコリンズ・ジャパン 2017年)
29. 芹澤連「“未”顧客理解 なぜ、「買ってくれる人=顧客」しか見ないのか?」(日経BP 2022年)
30. 森岡毅/今西聖貴「確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力」(KADOKAWA 2016年)

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